あなたが同僚や上司、友達や恋人に何か伝えた時。「何で伝わらないんだろう?」と思ったことありませんか?
ちょっと、その時のことを思い出してください。あなたは、イライラしていませんでしたか?
怒った時やイライラした時、感情をそのまま言葉に乗せて相手にぶつけていませんか?
「怒ってるんだから、感情的になるのは当たり前でしょ!」という気持ちも分かります。
ただ、そういったイライラを含んだ敵意のあるコミュニケーションだと、一向に相手には伝わりません。
むしろ、あなたと相手の関係は悪化していくばかり。相手は自然と距離を取り始めて、次第に孤立してしまいます。
あなたがイライラしている負の感情は、イライラしている相手だけでなく、あなたが愚痴をこぼした親しい家族や友人、恋人まで伝わってしまいます。
この記事に書いてあることを意識してコミュニケーションを取れるようになれば、こんなメリットがあります。
- あなたの要望を、相手に上手に伝えられるようになる。
- 家族や職場の人間関係を良好にできる。
- あなたのイライラが減る。
あなたの要望をどうやって相手に伝えるのがいいのか?
それは、怒りや不満などのイライラをなくしたリクエストをすることです。
例えば、彼氏や旦那さんが約束を守ってくれなかった時。彼女や奥さんは…
- 悲しい。
- 約束を守って欲しい。
- 大事にして欲しい。
という気持ちを伝えればいいのに、怒りや不満の感情を入れて話してしまいがち。
そうすると、相手に対して言いたいことが、イライラや敵意のせいで歪んでしまいます。
- 約束を守れないぐらいなら、余計なことはしないで欲しい。
- 期待をさせないで欲しい。
- あなたは、いつも約束を守らない。
もし、こんな風に言われたら、どう思いますか?

余計なことって何だよっ!



いつも約束を守らないって、どういうことだよ!
となりますよね。
そもそも、あなたも怒りたくて怒ってるんですか?違いますよね?
相手のことが大事だから、もっと一緒の時間を過ごしたい。もっと快適な職場環境にしたいから、協力してもらいたい。
そういった気持ちや思いがあるはずです。
人には相手へのリクエストがある。
敵意があるとリクエストを受け取った方は、あなたが何をして欲しいのか分からなくなってしまいます。
- 埋め合わせをして欲しいのか?
- 謝って欲しいのか?
だから、イライラして怒りや不満を含めた言葉を相手に言っても、お互いすれちがいが起きるだけでいいことはありません。
家庭や職場でイライラをなくした要求を伝えられるようになる方法
まず、あなたがイライラしていると、相手に伝わるものも伝わりません。
なので、最初にやることは、あなたのイライラをなくすこと。
他人との会話。外出先や職場。ネガティブな感情を感じたとき。批判されてると感じたとき。
とりあえず、トレーニングのチャンスだと考えましょう。
それでは、トレーニングの内容を紹介します。
ネガティブ感情チェック
ネガティブ感情チェックには、3つの項目があります。
- 観察
- フィーリング
- ニーズ
観察
あなたがネガティブな感情を抱いた瞬間に、何が起きていたのか記録します。
- 相手は何をしたのか?
- 何を言ったのか?
- 自分は、どう感じたのか?
できるだけ、客観的に記録しましょう。
人間の記憶は、かなり曖昧でいい加減です。人間はネガティブな感情を、何度も繰り返して思い出します。
そうすると、どうなるのか?
事実と違った記憶になることがあります。
セラピストが行う退行催眠は、質問の仕方などによって、被験者の記憶が歪むことが証明されています。そのため、法的な証拠能力がありません。
この催眠の様に、普段からネガティブな人は、結構な確率で自分の記憶を歪めすぎています。
ネガティブな感情に囚われやすい人や、根っからネガティブな人は、相手のネガティブな所に目が向いてしまうんですよね。だから、あなたの人間関係はこじれるんです。



あの人は、いつも私の失敗を探している。粗を探しているに違いない。



そう思うのは、そういうことばかり考えているからでしょ。
フィーリング
自分が何を感じたのか、客観的に説明できるように心がけます。
事実と感情を、しっかり分けるということですね。
あの上司は、私を攻撃してきました。みんなの前で注意されて恥ずかしかったです。
あの上司は、大きな声で注意をしてきました。みんなの前で「こんな簡単な仕事もできないのか?」と注意されました。だから、私の心が傷ついて攻撃を受けたと感じました。
ニーズ
そう感じたのには、どんなニーズ、リクエスト、要求があるのか?理由を探します。
みんなの前で注意されることは…
- 自分は嫌だ
- 恥ずかしい
- 大声で言われるとビックリする
などのニーズが考えられます。
もう少し詳しくすると…
- 自分が一人のとき、冷静に言って欲しい。
- 大声で言う必要がない。
- みんなの前で、注意する必要もない。
その方が注意を素直に受け入れられるし、行動も改善できるというニーズです。
まとめると、個人的に、冷静な状態で注意や改善点を教えてほしい。となります。
電話トレーニング
電話で会話して、感情的になったり怒ったり誤解をしてしまう。電話によるネガティブなコミュニケーションをなくす方法です。
電話トレーニングとありますが、対面で相手と話す前に行っても有効です。
ポイントは2つ。
- 相手に自分は何を求めて、何をして欲しいのか?
- 相手が自分のリクエストを満たすためには、どうすればいいのか?
相手に自分は何を求めて何をして欲しいのか?



今の関係に不満があるからイヤだ。



自分はこういう生き方をしたい。邪魔をしないでくれ。
こういった風に感情をぶつけます。
感情をぶつけるのは、相手に何かやって欲しいことがあるからです。
人は相手と会って話をする時、自分の感情を満たすことを考えます。
人間は感情の生き物で、感情で動くのも事実。
自分の感情を伝えることで相手も同じ感情にしたい。それで動いて欲しいと思ってしまうのです。
でも、感情を伝えても仕方がないですよね。しかも、その感情がネガティブだったら関係は悪化するだけです。
そこで、自分が相手に何を求めているのか?冷静になって考えてみます。
例えば、彼氏と一緒にいる時間を大切にしたい。だから、飲み会に行っても早く帰ってきて欲しいというのを求めている場合。
いつも、あなたばかり遊んでズルい!
こんな事を言っても、相手は不快感しか受けません。
こう言い換えましょう。
早く帰ってきてくれないから、寂しい。
次に、相手が早く帰ってきたくなるには、どうれすればいいのかを考えます。
ここで、重要なことが1つ。
なぜなら、相手の共感をベースにすると、言わなくても伝わるだろう。感情を伝えれば、その裏にある私のニーズも、理解してくれるだろうとなってしまうからです。
自分のリクエストを意識すらできない人間が、他人に共感を求める権利はありません。
不満解析
不満解析には、4つの項目があります。
- どんなリクエストをしたか思い出す
- 具体的で明確に表現されていたか?
- ポジティブな動作でリクエストをできていたか?
- リクエストを修正・再構成できるか考える
誰との会話でもいいので、これは上手くいかなかったなぁという、相手とのやりとりを思い出してください。
① どんなリクエストをしたか思い出す
文字の通り、あなたが相手にどんなリクエストしたか、思い出してください。
思い出せない人は、そういった場面があった時、しっかり記録しておきましょう。
② 具体的で明確に表現されていたか?
会社の取引先の話。相手に新商品の話をしたとします。



どんな話をしましたか?



新商品の売り込みをしました。



具体的で明確な表現をされていましたか?もう一度説明してもらえますか?



分かりました。えっと……
もし説明することができないら、おそらく当時も具体的で明確な表現をできていない可能性が高いです。
つまり自分でも思い出せないぐらいの具体さと明確さの場合、相手にとっては、かなり抽象的で不明確に聞こえていることになります。
この話の問題は、以下の2つのどちらか。
- 情報量が多すぎる
- 分かりづらい
③ ポジティブな動作でリクエストをできていたか?
人間は可能性を感じさせるような、ポジティブな言葉でないと受けづらいです。
Twitterなどでバズるのも、当然ネガティブなものよりポジティブな内容です。
ポジティブな動作、言い方、声のトーン、雰囲気など全て含めて表現できていたかチェックしましょう。
コツは、代替案を提示することです。例えば…
この広告費は払わない方がいいですよ。
この広告費の分を、こっちの広告費に回したら、もっと成果が出ると思いますよ。
やはり、人は否定だけだと伝わりません。ネガティブなことを、いかにポジティブに変換できるかが大事。
④ リクエストを修正・再構成できるか考える
自分のリクエストが、具体的で明確的な表現ができていなかった。ポジティブなリクエストができていなかった場合。
どうやってリクエストを修正、再構成できるかを考えます。
②と③で、すでにやってることと同じですね。自分の会話を振り返って、しっかりとリクエストをできていたか確認します。
- 抽象的で曖昧な表現だったら、具体的で明確な表現にする。
- ネガティブな動作をしていたら、ポジティブな動作にする。
NVCバディ
自分が信頼できる人を、ひとり選びます。これまで紹介したコミュニケーションの練習に付き合ってもらいましょう。
あなたの〇〇を聞くと、私は××を感じます。
なぜなら、△△に対する私のニーズが満たされていないからです。
なので、リクエストとしては、□□をして欲しい。
こうやって少しずつ慣れてきたら、学校や職場で意識して、今まで紹介してきた方法を試してみましょう。
まとめ
相手にイラッとすることや、気になることを言われたら。
人間関係で余計なイライラをなくし、良好なコミュニケーションを取るために必要なことは…